知ってますか?サツマイモの健康効果(Dr. マーコーラ) | お知らせ | プロテイン・サプリメント・健康情報【Choice チョイスサプリ】
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Sweet potato varieties shot in the studio for Don Labonte

読者の健康に役立ちそうな情報を見つけ、共有したい。日頃から、私はいつもそう考えています。それが食べ物に関する情報であれば、なおさら意欲は高まります。なぜって、日々の食事により適切な栄養をとることは、健康な暮らしを支える「大黒柱」と言っても過言ではありませんから。

今回、私がお伝えするのは、サツマイモがもつ知られざる健康効果のお話です。

■ふだんの暮らしにもっとサツマイモを

ほどよい量のサツマイモが加わると、食卓は格段に豊かなものなります。一年を通して手に入り、それひとつで豊かな栄養分を補うことができるサツマイモを上手に使えば、理想的な食生活を手にすることができるかもしれません。

サツマイモが健康増進に役立つさまざまな効果をもつことは、すでに多くの研究が明らかにしています。自然な甘みがおいしいこの根菜には、老化を防ぐ坑酸化作用や抗炎症作用のほか、さまざまな病気に対する予防効果をもつ成分が含まれているのです。

■サツマイモの出世物語

サツマイモが栽培された歴史はひじょうに古く、人類にとって、もっともつきあいの長い作物のひとつです4。とはいえ、それはおもにアメリカ大陸での話。コロンブスの新大陸発見(1492年)によって初めてヨーロッパへもたらされたサツマイモは、スペイン人やポルトガル人の航海者らの手で、またたくまに世界中へ広まりました5。日本を含むアジアの人々がはじめてサツマイモを口にしたのは16~17世紀くらい。同じころ、アメリカ合衆国のとりわけ南部諸州では、サツマイモが主食となっていたこともあるといいます6

サツマイモの品種はひじょうにバラエティ豊か。珍しい品種も含めると、約400種にもなります7。形や大きさのほか、もっとも大きな違いは皮の色でしょう。クリーム色やこげ茶、黄色やオレンジ、ピンク色、紫色など。それぞれ個性的なサツマイモがあります8。サツマイモはご存知の通り秋に収穫され、冬に旬を迎えますが、一年を通して市場に出回っています。

■サツマイモvs.ヤムイモvs.ジャガイモ

英語で「スイート・ポテト」と呼ばれるサツマイモは、ときにヤムイモの仲間と混同されることがあります。たしかにデンプン質の塊茎(芋)を食べるという点でよく似ていますが、ヤムイモは単子葉植物でヤマノイモ科に属します。一方のサツマイモは双子葉植物でヒルガオ科の植物。ふたつの「イモ」は、発芽したときから姿も性質もまったく違うのです9

ヤムイモはアフリカやアジアのおもに熱帯地域を原産とする作物です。サツマイモと同様にさまざまな品種がありますが、もっともよく知られているのは、ざらざらの皮の下に白や紫、赤といった色の身をもつものでしょうか【訳注:日本でよく食べる長芋や山芋も、ヤムイモの仲間です】10。色やサイズが比較的そろっているサツマイモに比べ、ヤムイモはときに1mを超える巨大なサイズにまで成長することがあるのも、大きな違いです11

いわゆる「ポテト」、つまりジャガイモも、カロリーや栄養素の面でサツマイモと多くの共通点をもっています。しかし「健康への配慮」という観点から見れば、一般にサツマイモはジャガイモよりも優れていると考えられます。

理由のひとつには、料理方法の違いがあるでしょう。揚げ物として食べることの多いジャガイモは、高カロリー、塩分とりすぎになりがち。フライドポテトが高血圧をもたらし、心臓病や動脈硬化といった「心血管疾患」、脳卒中などのリスクを高めるとされているのも、その一例です12。サツマイモなら、そういう心配はありません。

サツマイモがジャガイモよりも優れていると考えられるもうひとつの理由は、カラフルな色のバリエーショとも関連しています。これらの色が、実は強力な酸化防止剤の存在を示しているのです13

■サツマイモの鮮やかな色がもつ意味とは?

たとえば、サツマイモの黄色はカロテン、とりわけβ-カロテンの存在を示すものです。カロテンはニンジンなど野菜だけでなく、メロンなど果物にも含まれる天然の栄養素です。なかでもβ-カロテンは酸化防止剤として知られ、フリーラジカル(遊離基)を追い払う力をもっています。フリーラジカルというのは、細胞にダメージをもたらし、老化を促進し、成人病にかかりやすくするもの。酸化防止剤は免疫機能を助けるとともに、心臓病やがんのリスクを下げる効果も期待できるのです14

β-カロテンは人間の体内でレチノール、あるいはビタミンAに変化します15。ビタミンAは目の健康にとっては不可欠であり、視覚の光受容を助ることが知られています。ビタミンAの過剰摂取は有害ですが、β-カロテンを通して間接的に摂取すれば、そうした心配も回避できます。体内では、ビタミンAの生成量が適正なレベルに調節されるからです16

サツマイモは肌の健康にも役立ちます。ビタミンAは天然の抗炎症剤ともいうべきもので、ニキビの原因となる細菌の増殖を抑える効果をもっているからです17

一方、サツマイモの紫色は、アントシアニンと呼ばれる別の色素によるものです。アントシアニンは、がんにかかるリスクを下げるといいます。胃がん、大腸がん、肺がん、乳がんなど、がん細胞の増殖を抑える効果があると、複数の研究が報告しているのです18。アントシアニンには、血液のなかで血小板がどろどろに固まることを防ぎ、さらさらの血流を促進します。これにより、心臓病を防ぐ力もあるのです19

■栄養素は他にもたくさんある

サツマイモの黄色にはがんの発生を妨げる効果がありますが、紫色のサツマイモにはシアニジンとペオニジンと呼ばれる色素が含まれ、がん細胞の成長を抑える効果があります。

サツマイモに含まれる抗がん性をもつ成分は、皮よりも身により多く含まれています20。これらには水銀やカドミウム、ヒ素といった重金属が体内に入ったときにもたらすリスクを軽減する効果もあります。「過敏性腸症候群」や「潰瘍性大腸炎」などと診断され、消化器系に問題を抱えている人、あるいは有毒金属への暴露を減らしたいと考えている人にも、よい影響をもたらすでしょう21

サツマイモのなかには、銅/亜鉛スーパーオキシドジスムターゼとカタラーゼという、2つの重要な抗酸化酵素が含まれています。紫色のサツマイモがもたらす抗酸化作用は、ブルーベリーの約3倍、という研究もあります22

サツマイモはほかにもビタミンCとビタミンB、銅、食物繊維、ナイアシン、カリウム、鉄などの栄養素を多く含みます23

■サツマイモの抗炎症作用

『薬用食品ジャーナル』に発表されたある研究では、サツマイモに含まれる豊富な栄養素がもちうる抗炎症作用が報告されています。サツマイモから抽出された化学物質が、脳をはじめ体内の神経組織における炎症軽減に大きく役立つというのです24

サツマイモが含む植物栄養素は、血液中のフィブリノーゲンにも影響を与えてくれます。フィブリノーゲンは、血液凝固をもたらす重要な因子となる糖タンパクです。私たちの血液のなかでは、トロンビンやフィブリンといった化学物質ともに【訳注:酵素であるトロンビンの働きで、フィブリノーゲンから不溶性のフィブリンが生じます】、フィブリノーゲンがバランスよく含まれていることが大切です。これらは、怪我をしたときに血液が凝固して出血を止めるときにも大きな役割を果たしているのです。

■糖尿病患者や糖尿病予備軍は食べても大丈夫?

ある大学の農業生命科学部が行った研究によると、サツマイモは食後血糖値の上昇度合いを示すグリセミック指数(GI値)の低い食品であり、血液中のブドウ糖はひじょうにゆっくりと時間をかけて増加します25。GI値の低い食品はすい臓への負担が小さく、より長い時間にわたって満腹感がえられるものとして注目されています26

さらに、サツマイモが血液中の糖分を低く抑える効果をもつと報告する別の研究もあります。これは、脂肪細胞から分泌される、たんぱく質ホルモンであるアディポネクチンの量を増やすことで、インスリンの働きを助けることによるものです27

とはいえ、こうした研究結果が正しいとしても、サツマイモの食べ過ぎは禁物。品種によって糖度は異なりますが、サツマイモは全般的に甘い食品です。アメリカでその甘さが人気のある品種を例に挙げると、100グラムあたり6.5グラムもの糖質を含みます28

あなたが糖尿病患者であるか、あるいはインスリン抵抗性に関連する問題に悩んでいるのであれば、まずは担当医師に相談してみてください。

■「生物学的利用能」を高めるサツマイモの調理法とは

何を食べるかだけでなく、いかに調理するかも大切です。料理法によって左右されるクオリティの違いは、味だけではないのです。サツマイモの栄養価も、その調理法によって大きな違いが生まれます。

蒸したり焼いたりすると、サツマイモが含むβ-カロテンの「生物学的利用能(バイオアベイラビリティ)」が高まります29。これは、酸化防止剤の役割をもつ物質が、体のなかに取り込まれやすくなるという意味です。茹でて食べる人も多いですが、有効な成分を壊してしまうことの多いこの調理法はあまりお勧めしません30

それから、皮をむくとサツマイモの身は酸化して黒く変色しやすくなります。皮をむいたら、すぐ水のなかに浸しておきましょう31

β-カロテンは、油に溶けやすい性質をもっています。そのためには、3~5グラムの油があれば十分でしょう。こうした栄養素は、少量の油とともに摂取することで、より効率的な形で体内に吸収されるのです。私のお勧めは、牧草をたっぷり食べたウシから搾った牛乳でつくるおいしいバターを塗った、ほかほかのサツマイモです。

つぶしたアボカド、茹でた豆やニンジンとともにサツマイモをピューレにしたものは、赤ちゃんの離乳食として理想的なメニュー。サツマイモやカボチャをまとめて調理したら、アイストレイ(製氷皿)を使って小分けにして保存すれば、すぐに使えて便利な離乳食ができます32

■出典・参照文献

1, 29 Plant Foods for Human Nutrition, December 2009;64(4):312-8
2 The Conscious Life, July 8, 2013
3, 7, 9, 18, 19, 22, 27, 28, 30, 31 Foodfacts.mercola.com, What Are Sweet Potatoes Good For?
4, 5, 6, 21 WHFoods.org, Sweet Potatoes
8 LSUAgCenter.com, Sweet Potato Varieties
10 The Huffington Post, November 19, 2012
11 See ref 10
12, 13, 26 The LA Times, July 1, 2011
14 University of Maryland Medical Center, Beta-carotene
15, 16 Oregon State University, Micronutrient Information Center
17 The Huffington Post, October 18, 2013
20 The Journal of Toxicological Sciences, February 2002;27(1):57-68
23, 25 Perspectives Online, n.d.
24 Journal of Medicinal Food, October 2011;14(10):1097-106
32 Mercola.com, December 20, 2010

注)これらの健康情報および教育メッセージはチョイスニュートリションが翻訳しております。記事の掲載目的は健康、栄養、
トレーニングなどに関する情報の提供と共有にあり、個人の健康状態にアドバイス を与えるためのものではございません。食事法、トレーニング法、
その他の健康管理法につきましてはそれぞれの責任において実行されますことをお願い申し上 げます。また、
体に違和感や不調があるときには医療機関へのご相談をおすすめいたします。なお、記事の内容に関するお問い合わせにはお応えしておりませんので ご了承ください。