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私が最初に訪れたのは、コロンビア。
首都のボゴタから飛行機でサンタマルタに移動した後、車で山を登ること約4時間。そこから、馬に乗り換え向かった先にその農場「ロス・アミーゴス」はあった。世界的にも有名であるその場所は、海抜1,500mと外界と隔絶されており、澄んだ空気と美しい滝がある自然に恵まれた環境が印象的だった。
#1-2


農園主であるネルソン氏の案内により、馬で移動しなければいけないほど広大な農園を見渡してみると、バラを育てるような丁寧さで、種から苗木を作り、出荷までを大切に行っていた。
それは、決して豊かとはいえない生活の中、数多くあるコーヒー農園のなかで、優れたものを作ろうと懸命な努力の末に築き上げた、とくべつな農場だったのだ。
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もうひとつ訪れたアルゼンチンのコルドビタにある農場「アル・ヒグエロン」も同様。そこは、馬と徒歩で3時間以上も歩いた先にある豊かな自然の中で、農園主の強い思いと試行錯誤から生まれたコーヒーがあった。
この2つの農場で育った有機栽培コーヒーは、まさに私が思う最高品質の素材だったのだ。