クルクミン(ウコンCurcuma Longaplantに含まれる物質)のサプリメントは、過酷な訓練を行う兵士やアスリートのパフォーマンスを向上させる可能性があります。サウスカロライナ大学のスポーツ科学者は、アメリカ陸軍の支援を受けた動物実験から、上記の結論を導き出しました。
研究者たちは、実験対象のマウスに対し1日に0.5グラムの標準的な餌を与え(プラセボ群:plac)、うち半分のマウスには10mgのクルクミンを加えて与えました(クルクミン群:cur)。3日ののち、その全マウスに2時間半走らせる運動をさせました。1つのグループはマイナス14度の下り坂を下向きに走らせ、他のグループはプラス14度の上り坂を走らせました。
そして初回の運動ののち48時間から72時間休ませた後、再度マウスを走らせました。そして、マウスたちが文字通り力尽きて走れなくなるまでにどれくらいの時間がかかるかを計測しました。下の図表は、下り坂を走ったマウス群のパフォーマンスが、クルクミンによって向上したことを示しています。他のグループには有意な効果がありませんでした。
クルクミンは、筋肉に反異化作用を与える
下の図表の数値は、マウスのクレアチンキナーゼ値が150分間の運動ののち、48時間および72時間でどのように変化したかを計測したものです。運動後の血中クレアチンキナーゼ値が高いほど、筋肉の損傷がより大きいということです。クルクミンはその損傷を相当に減少させます。
筋損傷に関する他のマーカーは、筋組織内での炎症性のたんぱく質の凝縮です。研究者は、マウスの筋肉中のTNFアルファやインターロイキン6、そしてインターロイキン1ベータの数値を計測して、クルクミンがたんぱく質の生成を抑えるかどうかを観察しました。下の図表は、TNFアルファがどうなったかを示しています。
研究者は実験から、兵士やアスリートなと、激しい身体運動を行うけれど回復にあまり時間をかけられない者にとって、クルクミンの効果は興味深いと結論を出しました。イブプロフェンなどの抗炎症物質は、筋肉痛を和らげる助けにはならず、さらに回復も遅らせます。(少なくとも若年層の結果はそうであり、高齢者は違った結果になるかもしれません)。しかしそれでも、クルクミンは効果があると見られます。「これらの発見は、兵士やアスリートが日常的に行う激しい耐久的な訓練後に回復力をアップさせるための、栄養学的な戦略に重要な意味があるかもしれません。」
動物実験では、ターメリックから抽出された化合物が筋破壊を防ぐと示しています。その化合物は、カルパインやプロテアソームなど、筋細胞内で筋損傷が起こるメカニズムのいくつかを防ぎます。それに加えて、クルクミンは代謝力をアップさせます。動物実験では、クルクミンは主に脂肪酸の燃焼率を上げました。副作用の心配はありません。クルクミンは脳にプラーク・たんぱく質が蓄積されるのを防ぐために、寿命をも伸ばす可能性があります。
出典: HYPERLINK "http://ajpregu.physiology.org/cgi/content/abstract/292/6/R2168" \t "_blank" Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 2007 Jun;292(6):R2168-73.
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