基礎知識

インスタント麺好きの人は注意しましょう

インスタント麺好きの人は注意しましょう

インスタント麺好きの人は注意しましょう。ベイラー研究所の最近の研究によると、インスタント食品(インスタント麺を含む)を多く摂取する人、中でも特に女性は心臓メタボリック症候群のリスクが上がるということです。Journal of Nutrition誌上で発表されたこの結果は、世界中に広がっている悪しき食習慣に新しい光を与えるかもしれません。
ラーメンの消費量はアジア地域において多く、この研究は主に、一人当たりのインスタント麺消費量が世界一である韓国を対象に行なわれました。近年韓国では、健康問題が急激に増加しており、特に成人の心臓病や肥満が増えています。これらの問題は、心血管の疾患や死亡率の上昇、ひいては医療コストの増加にもつながる可能性があります。
ベイラー研究所の主任研究者であるヒュン・ジョン・シン博士は、ベイラー大学医療センターの臨床心臓学フェローであり、栄養疫学の博士号を持ちハーバード大学公衆衛生大学院で学んでいます。
「インスタント麺の消費はアジア諸国において大きいが、この事実とメタボリックシンドロームの関係はまだ深く調査されていない。
なので、よりはっきりした関連性をつかむために調査を行った」とシン博士は言っています。

ベイラー心臓血管病院(Baylor Heart and Vascular Hospital, BHVH)を代表してこの調査を行ったシン博士は、週に2回以上インスタント麺を食べるのと心臓メタボリックシンドロームとには関連性があり、さらに心臓病や糖尿病、脳卒中などのリスクが上がると発見しました。
シン博士はさらに、これらの問題は女性のほうがもっと顕著だとしています。博士によると、これは男女の生物学的な違い(性ホルモンや代謝など)によるもので、肥満やメタボリックシンドロームの構成要素とも関係があるということです。さらに、男女の食習慣や、食べるものの報告の正確性の違いも、この性別による違いに関係があるだろうとしています。
そのほか、インスタント麺の容器に使用される発砲スチロールに含まれるビスフェノールA(BPA)も、性別による違いの要因として考えられます。研究では、BPAはホルモン、中でも特にエストロゲンが体内に送るメッセージを乱すと示しています。
しかし、シン博士は、性別による結果の違いやその原因に関係なく、この研究は、私たちが体にどんな食べ物を取り入れるかの重要性を示しているとしています。
シン博士はこう述べています。
「多くの人が、インスタント麺が体に与える健康への害に気づかずに食べていることを考えると、この研究は非常に大きな意味がある」
「私が望むのは、この研究によって将来、インスタント麺の健康への影響についてさらに深く研究が行われる足掛かりとなることだ」
シン博士は、この研究結果を受けて、人々がもっと健康的な食事をとるようになれば、大きな意味があると言っています。

出典・参照文献:
H. J. Shin, E. Cho, H.-J. Lee, T. T. Fung, E. Rimm, B. Rosner, J. E. Manson, K. Wheelan, F. B. Hu.
Instant Noodle Intake and Dietary Patterns Are Associated with Distinct Cardiometabolic Risk Factors in Korea.
Journal of Nutrition, 2014; 144 (8):
1247Journal of Nutrition, 2014; 144 (8):1247

注)これらの健康情報および教育メッセージはチョイスニュートリションが翻訳しております。記事の掲載目的は健康、栄養、トレーニングなどに関する情報の提供と共有にあり、個人の健康状態にアドバイスを与えるためのものではございません。食事法、トレーニング法、その他の健康管理法につきましてはそれぞれの責任において実行されますことをお願い申し上げます。また、体に違和感や不調があるときには医療機関へのご相談をおすすめいたします。なお、記事の内容に関するお問い合わせにはお応えしておりませんのでご了承ください。