チアシードは、地球上でもっとも健康的な食べ物のひとつです。チアシードには健康に有益な栄養分が山ほどつまっているのです。
1.チアシードはカロリーがほぼゼロなのに大量の栄養分が含まれている
チアシードは、学名Salvia hispanicaの植物から採れる黒い種で、南米原産のミントに近い種の植物です。太古から、アズテック族やマヤ族にとってチアシードは非常に重要な食物でした。彼らはこのチアシードを力を与えてくれる源として、大切にしていました。実際に、古代マヤ語で「チア」とは「力」を表す言葉なのです。チアシードは太古から主食として摂取されていたにもかかわらず、その卓越した栄養分がスーパーフードとして注目されはじめたのはごく最近のことです。過去数年間で、チアシードは爆発的人気となり、今では世界中の健康志向の人々が食べています。
これがチアシードです。
小さいからといって惑わされてはいけません。チアシードは小さいですが、その中には強力な栄養分がぎっしりと詰め込まれています。1オンス(約28.3グラム)のチアシードの中には以下のものが含まれています。
食物繊維:11グラム
タンパク質:4グラム
脂肪分:9グラム(うち5グラムはオメガ3脂肪酸)
カルシウム:RDA(1日の推奨摂取量)の18パーセント
マンガン:RDAの30パーセント
マグネシウム:RDAの30パーセント
リン:RDAの27パーセント
また、相当量の亜鉛、ビタミンB3(ナイアシン)、カリウムおよびビタミンB1(チアミン)およびビタミンB2を含む。
上記の栄養成分は、わずか1オンス内に含まれる量であり、さらにそれがたった137カロリーであり、消化可能な炭水化物は1グラムしかないのですから、実に驚くべき栄養成分です。1オンスは28グラム、大さじ約2杯に相当します。
興味深いことに、チアシードから体に残るカロリーにならない食物繊維を取り除いたら、1オンスはわずか101カロリーになるのです。このことら、いくつかの重要な栄養成分を摂取する上で、チアシードがカロリーから見ても世界最高の食べ物であることになります。
その上さらに、チアシードは「全粒」の植物であり、通常オーガニックで栽培され、GMO(遺伝子組み換え)でもなく天然のグルテンフリーの食べ物なのです。
まとめ:その小ささにもかかわらず、チアシードは地球上でもっとも栄養価に富んだ食べ物の1つであり、食物繊維、タンパク質、オメガ3脂肪酸や様々な微量栄養素が豊富に含まれている。
2.チアシードには抗酸化物質が大量に含まれている
他にもチアシードの素晴らしいところは、抗酸化物質を多く含むことです。
これらの抗酸化物質は、チアシード内の繊細な脂肪分が酸敗するのを防ぎます。抗酸化物質はサプリメントから摂取した場合にはあまり効果がないのですが、食物から摂取した場合は、健康に有益な効果があります。
最も重要なことですが、抗酸化物質はフリーラジカルの産生と戦います。フリーラジカルは細胞の分子を傷つけて老化を早め、癌などの疾病につながることがあるため、抗酸化物質のこの働きはこれらの疾病の予防にもなりえます。インターネット上でも、チアシードにはブルーベリーより多くの抗酸化物質が含まれているという情報があります。
まとめ:チアシードには、その繊細な脂肪分を保護するための抗酸化物質が多く含まれており、その他にも数多くの健康有益効果がある。
3.チアシード内の炭水化物はほとんどが食物繊維
チアシードの栄養成分表を見ると、1オンスにつき12グラムの「炭水化物」が含まれています。
しかし、です。その12グラムのうち11グラムまでは食物繊維であり、体には吸収されないのです。食物繊維は血糖値を上げません。糖分を処理するためのインスリンも必要としないので、実は炭水化物とはいえないのです。
本来の意味での炭水化物は、1オンスにつきわずか1グラムと、非常にわずかな量です。なので、チアシードは非常に低炭水化物食品ということになります。そして成分のほとんどが食物繊維なので、チアシードはその重さの10~12倍の水分を吸収することができ、ゼリー状になって胃の中でふくらみます。そうすると理論的に、満腹感が増し、食べ物がよりゆっくりと体に吸収されるようになり、結果的に摂取するカロリーが減るということです。
食物繊維は、腸の中で体によいバクテリアに栄養を与えます。これは、腸内に「よい虫」を持っていることで、健康にとって絶対に欠かせない重要な要素です。
チアシードはその重さの40%が食物繊維です。これは、世界でもっとも食物繊維に富む食べ物ということになります。
まとめ:チアシード内の炭水化物は、そのほとんどが食物繊維であり、その重さの10から12倍の水分を吸収する。さらに、食物繊維は健康に数多くの有益効果をもたらす。
4.チアシードはタンパク質に富む
チアシードには、相当量のタンパク質が含まれています。重さでいうと、その14%がタンパク質であり、他の植物と比較すると非常に高い比率です。
さらに、必須アミノ酸をバランスよく含むので、タンパク質を効率良く体に取り込むことができます。タンパク質には、健康に有益なもの全てが入っています。そして、食事内容の中で現時点ではもっともダイエット向きの栄養分です。タンパク質を多く摂取すると、食欲が減り、食べ物に対する過度の執着が60パーセント、夜間にスナックを食べたくなる衝動は50パーセント減ると示されています。
チアシードは実に優れたタンパク源であり、動物性の食品を少ししか、または全くとらない人や、あるいは普通より多くのタンパク質を必要とするアスリートにとって、理想的な食品です。
まとめ:チアシードは質のよいタンパク質を、ほとんどの植物性の食品より多く含む。タンパク質はダイエットにもっとも適した微量栄養素で、食べることへの欲望を劇的に減少させる。
5.食物繊維とタンパク質を豊富に含むため、チアシードはダイエットの役に立つ
多くの医療専門家が、チアシードはダイエットの手助けになると考えています。チアシード内の食物繊維が大量の水分を吸収して胃の中でふくらむことにより、満腹感が得られ、食物が吸収されるのがゆっくりになります。
グルコマンナンは、同様の働きをする繊維で、いくつかの研究はグルコマンナンはダイエットに効果があると示しています。そして、チアシードに含まれるたんぱく質が食欲や食物摂取量を減らす手助けをしてくれます。
ただ、チアシードがダイエットにおよぼす効果を研究したところ、残念ながら結果は良いものではありませんでした。ある研究では、チアシードが食欲を抑えると示したものの、体重に関しては有意な効果が見られませんでした。
体重過多の90名の人を対象に行われた研究で、1日に50グラムのチアシードを12週間にわたって摂取した場合、体重および健康マーカーに影響は及ぼしませんでした。他の、62名の女性を対象に10週間にわたって行った研究によると、チアシードは体重過多に効果はありませんでしたが、血液中のオメガ3が上昇していました。
チアシードを普段の食事にただ加えるだけでは体重に効果はないかもしれませんが、それでも私は個人的には、他にも効果があることだと考えています。体重を減らすためのダイエットは、単にひとつの食品を足したり減らしたりするものではありません。そうではなく、食生活全体そして睡眠や運動といった普段の生活スタイルとも関係があるのです。きちんとした栄養のバランスのよい食事生活と、健康的な生活習慣を組み合わせることにより、チアシードはきっと体重を減らすことにも役立つでしょう。
まとめ:チアシードはタンパク質と食物繊維を豊富に含むため、ダイエットに役立てることができる。
6. チアシードはオメガ3脂肪酸を豊富に含む
フラックスシード(亜麻仁種)と同様、チアシードはオメガ3脂肪酸を非常に多く含みます。
実際、チアシードはグラムあたり、鮭よりも多くのオメガ3を含むのです。
ただ、頭に留めておくべきなのは、チアシード内のオメガ3脂肪酸は主にALA(アルファリノレン酸)であり、私たちが思うほど健康に有益ではないということです。ALAは、体内で使用される際、「活性化」した状態であるEPAやDHAに変換する必要があります。しかし残念なことに、人間の体はALAを活性化させるには効率が悪く、従って、植物性のオメガ3脂肪酸は、魚に代表されるような動物性のオメガ3脂肪酸よりは大幅に効果が落ちるのです。
研究では、チアシード(特に粉末状にした場合)は血液中のALAやEPAを増やすことはあるが、DHAを増やすことはないと示しました。これは、あまりうれしい話ではありません。なぜなら、DHA(オメガ3脂肪の中でもっとも大切なもの)を供給しないということは、チアシードはオメガ3の供給源としては過大に評価されていると考えられるからです。
ベジタリアン、あるいはヴィーガン(絶対菜食主義者)の人の場合、体と脳に必須のDHAを摂取するためには脂肪分の多い魚を定期的に食べたり、魚油やDHAサプリメントを摂取したりするべきなのです。
まとめ:チアシードはオメガ3脂肪酸ALAを非常に豊富に含むが、人体はそれをもっとも重要なオメガ3脂肪酸であるDHAにうまく変換できない。
7.チアシードは骨に重要な栄養分を豊富に含む
チアシードは骨の健康に重要ないくつかの栄養分であるカルシウム、リン、マグネシウムおよびタンパク質などを豊富に含んでいます。1オンスにつき1日の推奨摂取量の18パーセントが含まれるのです。グラム単位で見ても、これはほぼ全ての乳製品より高い値です。ゆえに、チアシードは乳製品をとらない人にとって、素晴らしいカルシウム源になります。
まとめ:チアシードは骨の健康にとって必須であるカルシウム、マグネシウム、リンおよびタンパク質を豊富に含む。
8.チアシードは料理に利用しやすい
チアシードは普段の食事にとりいれるのが非常に簡単です。チアシードそのものにはほとんど味がありません。なので、ほぼ、どんな食品にも混ぜることができます。また、フラックスシード(亜麻仁の種)のように粉末状にする必要がないので、調理もずっと簡単です。そのまま食べることもできるし、ジュースやプディング、おかゆに混ぜたり焼き菓子や料理に混ぜたりもできます。シリアルやヨーグルトにかけて食べてもよいし、野菜や米の料理に混ぜてもよいでしょう。
多くのアスリートは、チアシードをホエイプロテイン飲料に混ぜて毎日飲んでいます。チアシードは水分および脂肪分を吸収するので、ソースを濃くしたり、さらには卵の代用品として料理に使うこともできます。また、水にひたすことでゼリー状にして使うこともできます。レシピにチアシードを加えることによって、料理の栄養分は劇的にアップします。
ただ、もしあなたが普段からあまり食物繊維をたくさんとっていないなら、一度にたくさんチアシードを食べると、十分に許容範囲ではあるのですが、消化器系に副作用を起こす可能性があります。推奨される一般的な摂取量は、1日に20グラム(およそ大さじ1杯半)のチアシードを2回程度とることです。
*注)これらの健康情報および教育メッセージは、チョイス ニュートリションによって翻訳されています。記事の掲載目的は健康、栄養、トレーニングなどに関する情報の提供と共有にあり、個人の健康状態にアドバイスを与えるためのものではございません。食事法、トレーニング法、その他の健康管理法につきましてはそれぞれの責任において実行されますことをお願い申し上げます。また、体に違和感や不調があるときには医療機関へのご相談をおすすめいたします。なお、記事の内容に関するお問合せにはお応えしておりませんのでご了承ください。